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中越沖地震3周年、「やっぱりいらない!柏崎刈羽原発」集会開かれる
2010年08月28日
8月28日、柏崎市中央地区コミュニティーセンターにおいて、中越沖地震3周年を迎え「やっぱりいらない!柏崎刈羽原発」集会が開かれました。地元はもとより北信越や関東、そして遠く九州・佐賀からも参加者が集まりました。
集会では、基調講演として東北大学大学院教授の長谷川公一さんから「原発は地球温暖化の切り札か?」として、原発推進側によるCO2対策の切り札としての原発活用論に具体的な反論を展開しました。その中で、中越沖地震のように一挙に大量の電力供給が途絶えると、結局はそれらを補うためにバックアップ電源が常に必要になり、そのために火力発電依存から脱却できないと指摘。「原発依存が続く限り、期待される稼働率と現実の稼働率の差は、火力発電で埋めなければいかなくなり、結局はCO2を高めることにつながり、必要なのは、エネルギー利用の効率化と自然エネルギーの活用」と述べました。日本全体で5%節電すると、原発7基分の電力が不要になり(100万KW原発、稼働率75%)、10%節電すると、原発14基分が不要になるとのことです。そこでは廃棄物も、CO2も、お金も、放射能もその分不要になるとのこと。節電の推進がもっと進められることがまず大切であることが訴えられました。
次に「柏崎刈羽原発のここが問題」として、地反原発地元三団体の武本和幸さんから地盤地震問題の報告。中越沖地震の観測値地は、1号機で1699ガルを記録し、旧基準地震道S2の450ガルを大きく越えたこと。地震による原子炉建屋・タービン建屋のひび割れ問題、ハンガーの支持位置のズレ問題が明らかになってきましたが、東電調査、保安院審査では真相が明らかにならないことが報告されました。
また、「KK原発の閉鎖を訴える科学者・技術者の会」の山口幸夫さんからも、この間の県技術委員会の傍聴報告とそこで明らかになった、5号機のひび割れやハンガーの指示点の外れ、7号機の再循環ポンプケーシングの問題など地震後の点検・復旧の問題点が指摘されました。
刈羽村生命を守る女性の会の高桑千恵さんからも、同じく県の技術委員会を傍聴しての「問題点と限界」が話され、この間、審議不十分のまままとめがなされ、国の結論が常に優先させるなどの問題点を指摘しました。二つの県技術委員会の報告は、その存在意義が問われるものでした。県民の安全安心の立場に立って議論を進めて欲しいものです。
その後、集会は、集会アピールを採択し、柏崎市内を「柏崎刈羽原発の廃炉!」を訴えて市内をデモ行進しました。
あらためて、原発への不安と地球温暖化に役に立たないことを知ることができた集会となりました。