2010年、分科会報告、原水禁大会、原水禁大会 2010年
【報告】広島第7分科会/見て、聞いて、学ぼう―ヒロシマ入門編
2010年08月05日
会場:広島市西区民文化センター2F大ホール
参加者:約300人(うち、初参加者が約160人)
●DVD「君たちはゲンバクを見たか」上映、被爆証言
DVD上映では、原水禁運動の歴史と意義などについて、映像に登場する被爆者および、被爆二世の活動を通して学習した。その後、阿部静子さんによる被爆証言を伺った。阿部さんは、被爆時18歳で、爆心地から約1.5kmの平塚町で被爆した。屋根の上で瓦を運ぶ疎開作業中のことで、右半身に大やけどを負った。両親と同居していたが、ご本人のみが被爆。薬も不足し、満足に治療が受けられない中でも、家族の献身的な看病もあり、一命をとりとめた経緯について詳細にお話いただいた。ケロイドで苦しんだことや、それによって「赤鬼」などと言われてからかわれた悔しさについてもお話があった。
ご高齢、体調不良にもかかわらず、予定時間一杯使われて、反戦・核兵器廃絶を強く訴えた。また、なぜ8月6日の8時15分だったのかということについても、米軍の緻密な調査により、8時15分が広島では最も人々が多く外へ出ており、晴天であるほど、人体に与える影響が大きいということからだったという。さらに、原爆の「熱」「爆風」「放射能」による、きわめてむごい被爆状況についても具体例を挙げて詳しく説明していただいた。
こうしたお話に、参加者の多くはメモをとりながら熱心に聞き入っていたが、後半になると、そのメモをとる手も止めて、真剣なまなざしが向けられていた。
●核廃絶のために(初級編)
講師:川野浩一原水禁国民会議議長
川野議長は、当時5歳だった長崎での被爆体験を語られるとともに、第二次世界大戦と原爆開発の関係、米軍が日本へ原爆投下するまでの経過等についても説明された。
その後、これらの経過を踏まえ、原水禁運動の歴史について話される中、核兵器をとりまく現状や、ヒロシマ・ナガサキを決して風化させてはならないと強調された。まだ、当面の具体的な行動として、日本が早急に「非核三原則」を法制化し、世界に向け明確な核兵器廃絶の方針を策定すべきであることが提起された。
●まとめ
10代~20代の参加者も多く、「若い世代へとつなぐ運動」という本分科会の当初の目的を、おおむね達成することができた。