2026年世界・原水禁の動き声明申し入れ

【核兵器廃絶日本NGO連絡会】2026年NPT再検討会議に向けた日本政府への要請を行いました

2026年04月15日

4月14日、原水禁も参加する核兵器廃絶日本NGO連絡会が、外務省に対し要請文書を手交し、意見交換を行いました。私たちは4月下旬から開催予定の核不拡散条約(NPT)再検討会議で、日本政府が核兵器廃絶に向けとりくむことを求めています。要請文書の内容を以下のとおり掲載します。

なお、外務省との意見交換の内容などを含んだレポートはこちらに掲載されていますので、ぜひご覧ください

要請後行った記者会見のようす。

2026年NPT再検討会議に向けた日本政府への要請

ロシアによるウクライナ侵略、イスラエルによるガザ侵攻、米国によるベネズエラへの軍事作戦、そして米国とイスラエルによるイランに対する軍事攻撃など、核保有国によって力による一方的な現状変更が続き、国連憲章などの国際法に基づく国際秩序が危機に瀕しています。核兵器はもはや抑止のツールではなく、侵略と強要の道具となっています。

そうしたなか、核抑止が破綻するリスクがかつてなく高まっています。アントニオ・グテーレス国連事務総長は「核戦争のリスクが過去数十年で最高レベルにまで悪化している」(2024年3月18日、国連安保理)と何度も警告しています。そういった観点から、日本政府主導の「『核兵器のない世界に向けた』国際賢人会議」による提言も「全ての国は、核兵器への依存から脱却するために努力し続けなければならない。核抑止が安全保障の最終的な形態であるとこれまで示されたことはなく、またこれからもそうあってはならない」と指摘しています。私たちは今こそ、核兵器の非人道性を訴えることで「核のタブー」を強化し、核抑止からの脱却に向けて取り組むことが急務であると考えます。

また、核大国による国際違反の侵略や武力攻撃は、核軍縮・不拡散体制をも危機に陥れています。世界各地では「核には核を」と核抑止力を求める声が大きくなっています。日本でも、近年では「米国との核共有を検討すべき」という主張や「核保有」論まで出てきています。今こそ、核の拡散は核戦争のリスクを著しく高めるという「NPTの原点」を確認し、NPT第6条に基づき核軍縮の義務を誠実に履行することが急務であります。来る2026年NPT再検討会議では、過去2回の再検討会議に続く3回連続での合意失敗を回避し、核軍縮・不拡散の礎石であるNPT体制を建て直す糸口を見出すことが必要です。戦争被爆国である日本こそが、その取り組みをリードすることを強く期待します。そこで、2026年NPT再検討会議に臨む日本政府に対して、以下を要請します。

1.核兵器の非人道性を再確認し、それを国際社会に強く訴える

最終文書にて「いかなる核兵器の使用も壊滅的な人道的結果をもたらすこと」に対する「深い懸念」が再確認され、核兵器の使用がグローバルな規模で環境や社会経済の持続可能な発展、世界経済、食料安全保障、そして現在および将来の世代の健康に対して長期的な被害をもたらしうるという核戦争の多面的影響が明記されるよう取り組むこと。それらを科学的に明らかにする国連「核戦争の影響に関する独立科学パネル」の活動を支持し、積極貢献していくよう全ての締約国に呼びかけること。

核兵器使用の人道的結果に照らし、核戦争を回避するための具体的措置の実施や「いかなる時も、国際人道法を含め、適用可能な国際法を遵守する」ことが再確認されるよう取り組むこと。核被害者援助と環境修復に取り組むよう全ての締約国に呼びかけること。

2. 核廃絶の約束を再確認し、核軍縮の義務を果たすよう求める

最終文書にて「核兵器の完全廃棄を達成するという核兵器国による明確な約束」が再確認され、NPT第6条に基づく核軍縮義務の誠実な履行と過去の合意の実施が確認されるよう取り組むこと。また、2026年2月に失効する新STARTの後継となる枠組みに向けた米ロの対話や、中国をはじめ他の核兵器国も巻き込んだ軍備管理軍縮に向けた対話の実施も求めること。

核兵器のない世界の実現に向けた当面の措置として、核兵器国による「核兵器の先制不使用」政策の採択や法的拘束力のある消極的安全保証の供与を求めること。また、それらを実現するためにも、核兵器に自国の安全保障を依存する全ての締約国が核兵器の役割を低減していくことが明記されるよう取り組むこと。

3.核実験に反対する

包括的核実験禁止条約(CTBT)の早期発効に向けた努力と、その実現までの間、核兵器国による核実験モラトリアムの遵守が再確認されるよう取り組むこと。それらをはじめ、あらゆる核実験に反対する国際規範の強化を主導すること。

4.核武装に反対し、核不拡散を強化する

各国において核武装を容認したり核共有や核持ち込みを求めたりする声が広がっている傾向を深く憂慮し「核兵器の拡散が核戦争の危険を著しく増大させる」という「NPTの原点」に立ち返り、最終文書にていかなる核拡散もNPTに違反し容認できないことが再確認されるよう取り組むこと。また、不拡散義務をめぐる懸念については、武力行使やその威嚇ではなく、平和的に解決するという国連憲章における法的義務を確認すること。

核不拡散を強化するという観点からも「兵器利用可能な核物質の民生目的での生産と蓄積を削減するための取組」を呼びかけること。日本としては、使用済み核燃料の再処理計画を凍結し、プルトニウム量の増加を抑制し、削減することへのコミットメントを示すこと。

原子力潜水艦の開発計画の推進が核不拡散体制のいかなる抜け穴になるようなことがあってはならないことを確認すること。

5. 核兵器禁止条約も含め、多国間の核軍縮・不拡散体制を強化する

NPTをはじめ他の関連条約と核兵器禁止条約との補完性が明記されるよう取り組むこと。とりわけ核兵器禁止条約がNPT第6条の履行における「効果的措置」であることを認めること。また、CTBTの早期発効や核兵器用核分裂性物質生産禁止条約(FMCT)の早期交渉開始を求めること。それらを通じて、グローバルな核軍縮・不拡散を支える国際構造(アーキテクチャ)全体を強化していくという姿勢を示し、これら全ての枠組みに積極的かつ建設的に関与していくこと。

2026年4月14日
核兵器廃絶日本NGO連絡会

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