被爆72周年原水爆禁止世界大会・福島大会「フクシマアピール」
2017年07月29日
フクシマアピール
東電福島原発の過酷事故から6年4か月が過ぎました。福島第一原発では収束作業が続けられていますが、課題は山積し、廃炉作業についても困難を極めています。今もロボットを投入して格納容器内の燃料デブリの状況調査が行われていますが、今年2月に行われた1・2号機の調査では、ロボットも動かなくなるほどの高線量で、状況は明らかになりませんでした。また、汚染水対策の凍土遮水壁も、十分に凍らない部分と、凍りすぎて地盤が膨張する部分が出るなど、様々な問題が出ています。さらにトリチウム汚染水の「海洋放出」が浮上し、漁業関係者を中心に抗議の声が上がっています。
一旦ばらまかれた放射性物質の完全回収は不可能です。除染廃棄物及び特定廃棄物の処理処分についても様々な問題を抱えています。核廃棄物の処分については、国は具体的方針を明確にすることができません。
昨年、高速増殖炉もんじゅの廃炉が決まりました。一方で国は、核燃料サイクルを捨てきれないでいますが、もう展望はありません。
いま世界では、福島の原発事故を重大な問題としてとらえ、脱原発にエネルギー政策を転換する国が増えています。原発災害の引き起こした過酷な事実と、6年以上が経過しても元に戻せない福島の現実を直視し、原発のない社会の実現を展望した運動を進めなければなりません。
福島では、福島第一原発の事故収束に全力をあげること、そして、福島第二原発全基を即時廃炉にすることを県民の総意として、「東電福島第二原発の即時廃炉を求める署名」に取り組んできました。第二原発の廃炉は、国と東電の被災者及び県民に対する償いであり、原発事故の責任を明らかにさせることにつながります。第二原発の廃炉は、国に原子力政策の転換を示させる重大な意義を持ちます。そして、第二原発を廃炉に追い込むことは、日本の原発の再稼働を止め、さらには、廃炉に向かう原発を増やすことにつながる重要な運動です。
フクシマの悲劇を二度と繰り返さないためにも、「福島には原発はいらない!」その声を大きくし、全国の原発の再稼働反対の運動につなげていきましょう。
「核と人類は共存できない」ことを原点に、原発も核も戦争もない平和な社会の実現に向けた運動を、全国の仲間と共に進めましょう。
2017年7月29日
被爆72周年原水爆禁止世界大会 福島大会