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NPT再検討会議代表団派遣 ニューヨーク行動(2)

2010年05月06日

 原水禁派遣団は、5月3日の開会以降、ニューヨークに於いて以下の取り組みを行いました。


 5月3日午前中は、国連本会議を傍聴し、潘基文(バンギムン)国連事務総長や天野之弥国際原子力機関(IAEA)事務局長などの冒頭の演説を傍聴しました。午後には、原水禁、連合、核禁会議の3団体の代表(原水禁からは川野浩一議長、藤本泰成事務局長、井上年弘事務局次長が出席)が、福山哲郎外務副大臣、須田明夫国連軍縮大使との面談と要請を行いました。特に、今回のNPT再検討会議で核軍縮への具体的な取り組みを、日本が積極的にリーダーシップを発揮し世界をリードするよう要請しました。さらに日本の姿勢を見せるためにも鳩山由紀夫首相や岡田克也外務大臣が来て核軍縮への外交努力をするべきであると申し入れました。
 夜には、外務省が後援をする「被爆証言」のレセプションが国連本部で開かれ、川野議長、井上事務局次長が参加しました。

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 国連本会議の様子

 翌4日は、原水禁が長い間交流を深めている全米最大の平和団体・ピースアクションとの交流を行いました。そこでは、原水禁世界大会にもゲストとして来日されたことのあるピースアクション代表のケビン・マーティンさんやジョージ・マーティンさんなど懐かしい方々が歓待してくれました。交流は、ケビンさんからアメリカの核政策の現状と行方についての解説があり、オバマ大統領の登場により「核のない世界」という願いと現実のギャップがあり、それには軍部からの圧力があるとのこと。米ロで合意した新START条約の批准に時間がかかること。CTBTもここ2、3年はムリではないかと。厳しいアメリカの現状が報告されました。
 日本側からは、藤本事務局長から鳩山新政権下での核政策やそれに対する原水禁のとりくみや考え方が紹介されました。被爆二世や高校生平和大使、1万人署名活動などの日本の運動についてかかわっている参加者から紹介されました。
 ジョージさんからは、アメリカでウラン採掘の動きが活発化している報告がありました。ウラン採掘の場所は先住民の聖地となっているところも多く、そこではガンの発症率も高くなっているとの報告がありました。今年の原水禁大会の海外ゲストとしてアメリカから先住民を呼ぶ予定にしていることもあり、たいへん興味深く報告を聞きました。

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後列左から、ケビン・マーティンさん、ジョージ・マーティンさん


 午後には、連合とITUC(国際労働組合総連合)が主催するシンポジウム「核兵器廃絶のための労働組合の役割」に参加。基調講演として、核不拡散と核軍縮に関する国際委員会(ICNND)議長のギル・エバンスさんから、この間日豪の間でとりまとめた報告書の内容について解説し、アメリカを中心とした核の状況について論評しました。(ICNND報告に対しては、原水禁としては09年12月22日声明を発表)。さらに、秋葉忠利広島市長、田上富久長崎市長からもそれぞれの立場からの取り組みと考え方について報告がなされました。インドの参加者からは、軍事費が国民の生活を圧迫していること、核兵器をつくるのではなく生活の権利を守ることだと発言されました。

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報告を行う秋葉広島市長(左)。右は田上長崎市長。


 また、同じ時間帯で劣化ウラン問題の国際会議も開かれ、そこでは藤本事務局長があいさつに立ち、原水禁としてあらゆるヒバクシャとの連帯とともにヒバクシャをつくらせないことをアピールしました。
 翌5日には帰国の途につきましたが、短いニューヨークでの行動は、中身の濃い行動となりました。
 

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