2018年6月アーカイブ

 本年のポスターも、世界的に有名なデザイナーのU.G Satoさんのデザインのものとなっています。

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DSCN2654.JPG今年の3月、野党4党(立憲民主・共産・社民・自由)で国会に共同提出した「原発ゼロ基本法案」の成立をめざす市民の集いが、6月28日、東京・中野ゼロホールで開催されました。この集いは、「さようなら原発1000万人アクション」と「原発をなくす全国連絡会」が共催、「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」が協賛し、750人が参加しました。

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集会は、まず、主催者を代表して鎌田慧さん(ルポライター・さようなら原発市民アクションの呼びかけ人)が挨拶。「大衆運動と国会とが連携し原発ゼロ法案の意義を宣伝していき、一日でも早く原発からの脱却を実現しよう!」と訴えました。

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講演は、原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟の吉原毅会長(城南信用金庫顧問)が行いました。吉原氏は東日本大震災時の原発事故がいかに大事故であったことに触れながら、今度どこかで事故が起こったら日本が消滅しかねないことに言及。「もはや、右とか左とか、保守とか革新とか言っている場合ではなく、国民みんなで原発はなくしていかなければならない。」と訴え、「再生自然エネルギーが世界的にも大きく拡大している。原発がなくても充分やっていける。」と訴えました。DSCN2665.JPG


また、政党を代表して立憲民主党の山崎誠衆議院議員、日本共産党の藤野泰史衆議院議員が登壇。原発ゼロ基本法案が、全力需要を2030年まで30%以上削減し、かつ、再生自然エネルギーの電力供給割合を40%以上に拡大。その上で法施行後5年以内に全原発の廃炉をすることを目標にする法案であることを説明しながら、粘り強く運動を共に進める決意をそれぞれ、語りました。DSCN2716.JPG DSCN2740.JPG

(左:山崎議員、右:藤野議員)


最後に、小田川義和さん(原発をなくす全国連絡会)が、「さらに運動をつよめて、基本法の成立を求める世論を高め、その世論をてことして基本法を成立する政府・国会の実現をすることが当面の目標だ。来年の参院選挙に向け、市民と野党の共闘の柱に原発ゼロを押し上げていくことが求められる。未来への希望、原発ゼロ基本法の成立、原発ゼロの政府をめざして共にたたかおう!」と訴えまとめの発言としました。

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被爆73周年原水爆禁止世界大会 日程表

 東京電力の福島県内全ての原発の廃炉決定に対する声明

原水爆禁止日本国民会議(原水禁)議長  川野 浩一

 東京電力の小早川智明社長は、6月14日、内堀雅雄福島県知事に対して、東京電力福島第二原子力発電所の4基全てを廃炉にすることで、検討に入ったことを表明しました。これにより、福島県内の10基の原発がすべて廃炉になることとなります。福島第二原発の「廃炉」決断に7年も要したことは、遅きに失しその責任は大きいと言わざるを得ません。   福島県民は、2011年3月11日の福島第一原発事故以来、「原発のない福島を!県民集会」を毎年3月に開催し、福島第一原発の廃炉のみならず、第二原発の廃炉も要求してきました。今回の東京電力の決定は、両原子力発電所の現状からいって当然の結果であり、福島県民の要求にかなうものです。原水禁は、脱原発社会への歩みの一段階として評価したいと考えます。東京電力は、今後、両原発の安全な廃炉に総力を挙げるとともに、再生可能エネルギーを中心とした福島県の復興に、尽力していくことを期待します。
 一方で東京電力は、中越沖地震で大きな被害を受けた柏崎刈羽原発5・6号機(新潟県柏崎市・刈羽村)の再稼働にむけて準備を進めています。また、建設中の東通原発(青森県東通村)の計画も放棄していません。福島第一原発の過酷事故は、多くの人々から日々の生活を奪い、地域の文化を奪い、故郷を奪い、そしてかけがえのない命を奪いました。どのように抗弁しようが、東京電力の責任は逃れることはできません。しかも、事故の収束の作業は、その端緒についたばかりで、今後、膨大な時間と費用が必要となります。国民負担も増え続け、国家財政に与える影響は極めて重大です。東京電力は、溶融した核燃料の取り出しなどについて、明確な作業方法や工程・終了時期なども明確にできないでいます。事故の収束は、今後の研究・開発に待つというきわめて不透明なものであり、増え続ける汚染水の解決策も見えていません。そのような中で、原発の再稼働や新規原発の建設などに着手するなどは、言語道断と言えます。
 現在進められている「エネルギー基本計画」の改訂作業では、2030年度時点で原発の電源構成に占める割合を20~22%する方針を堅持していますが、達成のためには原発30基程度の稼働が必要となりますが、福島第二原発廃炉でさらにその達成は現実的に困難となりつつあります。また、再生可能エネルギーの割合が22~24%に抑えられ、化石エネルギー依存度の低減を図る姿勢も見えてきません。このような政府の姿勢は、再生可能エネルギーの将来を塞いでいます。計画の根本的な見直しを強く求めます。
  東京電力は、福島県内の全原発の廃炉という決断を機に、政府の方針の拘泥することなく、再生可能エネルギーを基本とした日本の将来を牽引する電力会社としての姿勢を明確にして、日本の市民社会の負託に応えていくことを希望します。加えて、福島第一原発事故の責任を回避することなく、誠実に事故による市民の被害に対する賠償に応じていくことを求めます。そのことは事故を起こした東京電力の責任であり、そのことによってしか市民社会の信頼を勝ち得ることはできません。原水禁は、東京電力が新たな道を歩むことを求めるとともに、脱原発社会へのとりくみをさらに強化していくことを表明します。

米朝首脳会談開催にあたっての平和フォーラム・原水禁声明

 

 612日、シンガポールにおいて、史上初の米朝首脳会談が、ドナルド・トランプ米大統領と金正恩朝鮮労働党委員長との間で行われた。緊張感漂う中にあって、両首脳が笑顔で握手する姿を、東北アジアの平和と非核化を求めてきた平和フォーラム・原水禁は、心から歓迎したい。

 会談後、両首脳は共同声明に署名した。声明では、トランプ米大統領の朝鮮の安全保障の確約と、金正恩朝鮮労働党委員長の朝鮮半島の完全な非核化への責務を再確認し、①両国民の平和と繁栄を希求する意思に基づく新たな米朝関係の構築の約束、②朝鮮半島の永続的かつ安定的な平和体制の構築への共同しての努力、③板門店宣言を再確認し、朝鮮による朝鮮半島の完全な非核化にむけた努力、④戦争捕虜や行方不明兵の遺骨回収への努力を確認した。今後、米朝高官による具体的協議を行うとしており、両国が大所高所に立って共通理解の下で朝鮮半島の平和、ひいては東北アジアの平和に向けて努力していくことを心から期待する。

 トランプ米大統領が、会談後の記者会見において在韓米軍の削減に触れたことも大きく評価したい。「米韓合同軍事演習は挑発的だ」「朝鮮との交渉中に『戦争ゲーム』をするのは不適切」との言葉に、韓国政府も支持する考えを示した。この姿勢を継続していくことを希望する。

 両国は、朝鮮戦争の休戦状態を引きずり、長年にわたって対立してきた。朝鮮戦争を終結し、休戦協定を平和協定に変えることが、東北アジアの平和と安定につながることは論を待たない。そのためには、戦争当事国である中国政府、韓国政府の姿勢もきわめて重要だ。侵略戦争と植民地支配によって、朝鮮半島の南北分断の要因を作った日本政府も、自らの役割を自覚しなくてはならない。

 共同声明は、トランプ米大統領が「包括的」と表現したように、非核化への具体的方策に触れていない。朝鮮の核問題を「背信の歴史」などと非難する声もあるが、進み出す一歩が重要であることを忘れてはならない。「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」の文言に拘泥し、一歩も進まないのであれば非核化は実現できないと考える。必要なのは、非核化に向けたプロセスを一歩ずつ着実に進めることだ。そのことからも、具体性がないなどとして共同声明の意味を矮小化してはならない。

 日本政府は、この間の朝鮮と韓国・中国・米国との外交交渉の蚊帳の外に置かれた。米朝会談は中止するとのトランプ米大統領の計算尽くの発言に、即座に支持すると安倍首相は発言した。これまでも、制裁の継続を唯一訴えてきた。そのような姿勢では、日朝首脳会談が開かれ対話が始まるとは考えられない。「拉致問題を取り上げた」とするトランプ米大統領に対して、「トランプ大統領の強力な支援をいただきながら、朝鮮と向き合い(拉致問題を)解決していく」と応えた安倍首相の姿勢は、主権国家の主体性と言う意味で大きな疑問を感じる。今大切なことは、日朝平壌宣言の誠実な履行を相互で確認し、国交正常化を優先することと考える。拉致問題など未解決な課題は、正常化後に考えられる戦後補償など未整理の課題と共に解決をめざすべきだ。平和フォーラム・原水禁は、東北アジアの平和と非核化に向けて、これまでのとりくみに邁進する。

 

   2018613

フォーラム平和・人権・環境

共同代表 福山真劫

藤本泰成

原水爆禁止日本国民会議

議長 川野浩一

被爆73周年原水爆禁止世界大会参加・賛同の呼びかけ

  ヒロシマ・ナガサキの惨劇と第2次世界大戦の終結から73年になろうとしています。その後も世界ではテロと紛争が繰り返され、平和を求める叫びの中で、いのちと人権が蹂躙され続けています。原水禁運動は、長きにわたって平和を求め、核兵器廃絶を求めて運動を進めてきました。しかし、世界にはいまだ約1万5千発の核兵器が存在しています。この存在は、ヒロシマ・ナガサキの惨劇の可能性を私たちに突きつけ、人類の生存を脅かし続けています。アメリカの科学誌「The Bulletin of the Atomic Scientists 」が示す核の終末時計は、「アメリカ第一主義」「力による政治」を掲げるトランプ政権の登場や朝鮮民主主義人民共和国の核・ミサイル開発などによって、米ソが水爆実験を競い合った1953年にならんで世界滅亡まで最短時間記録の2分前を指すこととなりました。


 一方で、2017年7月7日に122か国・地域の賛成多数により、国連総会において核兵器禁止条約が成立しました。核兵器の使用や開発、実験、製造、生産、保有などのほか、核兵器使用の威嚇も禁止した初めての国際条約であり、「核兵器の使用による犠牲者(ヒバクシャ)や核実験による被害者にもたらされた受け入れがたい苦痛と被害」に言及し、核兵器の非人道性を確認するものできわめて重要です。ヒバクシャとともにそれに尽力した国際NGO「核兵器廃絶キャンペーン」(ICAN)がノーベル平和賞に選ばれるなど、核兵器廃絶に向けた国際的な機運と努力も高まっています。また、6月12日には、トランプ米大統領と金正恩朝鮮労働党委員長との歴史上初の米朝首脳会談が開催され、朝鮮半島の非核化に向け動きだしています。このような平和と核廃絶への道筋を、私たちは心から歓迎します。
 しかし、唯一の戦争被爆国である日本の安倍政権は、世界の流れに背を向け、核兵器禁止条約の批准を拒んでいます。また、核兵器の小型化や新たな巡航ミサイルの開発、核運用の拡大などを盛り込んだトランプ政権の「核態勢の見直し」(NPR)を高く評価し、被爆国としてあるまじき態度を示しています。さらに安倍政権は、国会での多数を背景に、安保関連法(戦争法)や共謀罪の制定、辺野古新基地建設の強行、原発再稼働や破綻した核燃料サイクルの推進など、民意や現実を無視した強権政治を進めています。さらに憲法「改正」も視野に、戦後の平和と民主主義を最大の危機に陥れています。


 これまで原水禁運動が進めてきた反核・平和、脱原発・フクシマ連帯、ヒバクシャ援護・連帯のとりくみが、これほど重要性を増している時代がかつてあったでしょうか。安倍政権の平和憲法を踏みにじる様々な動きに対抗して、原水禁運動の理念ととりくみの強化が求められています。今夏の原水爆禁止世界大会は、そのような情勢の中できわめて重要な大会といえます。「核と人類は共存出来ない」との理念を基本に、「平和といのちと人権」が尊重される社会をめざして、国内外の仲間と共に議論し、交流し、連帯し、行動することを確認します。


 被爆73周年原水爆禁止世界大会への、多くの皆さんの参加と賛同をお願いします。

 

2018年6月12日
被爆73周年原水爆禁止世界大会実行委員会
実行委員長  川野 浩一

 

 

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