2014年9月アーカイブ

 1999年9月30日に茨城県東海村で起きたJCO臨界事故では、大量の放射線を浴びた二人の労働者が亡くなり、周辺住民を含む667人(政府発表)が被爆しました。それから15年目にあたる9月28日、石神コミュニティーセンター(茨城県東海村)で「フクシマを忘れない!再稼働を許さない!JCO臨界事故15周年集会」が開催されました。
 集会では、相沢一正さん(臨界事故を語り継ぐ会)の地元あいさつ、川口玉留さん(茨城平和擁護県民会議・会長)の主催者あいさつにつづき、「JCO事故から15年、再稼働を許すな!」と題して、村上達也さん(前東海村村長)、大泉恵子さん(JCO健康被害裁判・元原告)、青木秀樹さん(東海第2原発差し止め訴訟・弁護士)による鼎談が行われました。村長になってから2年目に起きた事故について、村上さんは、事故原因を究明しなかった政府を批判し、こうした姿勢が福島事故につながり今後もまた同じことが起きると警告。大泉さんはヒロシマ・ナガサキ、JCO事故と連綿と続く被ばくの被害のなかで、再稼働をすすめる政府姿勢を強く批判しました。また、弁護士の青木さんは、大飯原発の判決を維持、発展させることの重要性を訴えました。
 また、今回の集会にあたり、茨城県下22名の市町村長及び市町村議長の方々からメッセージ・祝電をいただいたことが報告され、粘り強い運動が進められていることを印象付けました。
 集会に参加した350名は、アピール採択の後、東海駅まで市内をデモ行進をしました。

集会アピールはこちら

9月23日に東京・亀戸中央公園で開かれた「さようなら原発全国大集会」とデモ行進をビデオにまとめました。(約8分)

 原発デモ.JPG原発全国集会.JPG 

 川内原発再稼働するな!フクシマを忘れない!─9月23日、東京江東区の亀戸中央公園で「さようなら原発全国大集会」が開かれ、16000人が参加。安倍政権の原発推進政策と対決し、再稼働を断念させようと声をあげました。集会は、デング熱問題のため、当初予定していた代々木公園から変更し、主催も「さようなら原発1千万署名市民の会・1000万人アクション」だけとなりましたが、予想を大きく上回る参加があり、夕刻までデモ行進が続きました。
 集会は「エセタイマーズ」のオープニングライブに続き、女優の木内みどりさんの司会で進行。呼びかけ人の鎌田慧さん(ルポライター)は、鹿児島・川内原発の再稼働の前提となる審査書を原子力規制委員会が9月10日に決定したことに抗議し「安倍政権は亡国への政権だ。再稼働は原発メーカーや電力会社の金儲けのためでしかない。絶対に原発をなくそう!」と呼び掛けました。
 1954年3月1日の南太平洋ビキニ環礁での米国の水爆実験で被曝しだマグロ漁船第5福竜丸乗組員の大石又七さんが車イスで登壇。9月23日は、この時に被曝した無線長の久保山愛吉さんの命日にあたり、「ビキニ事件で多くの人が被曝し、その後、ガンなどで亡くなり、世界中に放射能を拡散した。しかし、その事実は隠され、内部被曝の研究も進まなかった。そして、福島原発事故を引き起こした。ビキニ事件と原発はつながっており、同じ事が繰り返されようとしている」と、原発も核兵器も反対すると切々と訴えました。
 福島からは、「原発いらない福島の女たち」から橋本あきさんが「福島の土や水、空気が壊されている。私たちは安倍政権こそ壊したい。福島の現実をもっと知らせていきたい」と報告。また、鹿児島からは「反原発・かごしまネット」代表の向原祥隆さんが駆けつけ「川内原発の再稼働に反対する県民の世論は高まっている。周辺の自治体でも反対決議をあげている。9月28日に鹿児島市で最大規模の集会を開く。一歩も引かずに闘う」と決意を表明しました。
 作家の大江健三郎さんは、「原発がなくてはならないということはウソだ。原発反対の声は弱くなっていない。再稼働や集団的自衛権行使をしようとする安倍政権への大きな抵抗がある。私たちは断固として進まなければならない」と強調。澤地久枝さんも「今日もこれだけ多くの人が集まった。世界が原発をやめるように、平和憲法とともに呼び掛けていこう」と述べました。また、広瀬隆さんも「政府が再稼働を強引に進めるのは、追い詰められているからだ。回りに事実を伝えていけば変える事が出来る」と語りました。
 海外からは、韓国の「脱原発新聞」共同代表のパク・ヘリョンさんが「韓国には現在24基の原発があり、政府はこれを41基まで増やそうとしている。しかし、現地では多くの反対運動が起きている。日韓市民が一体となって原発を止めよう」と訴えました。台湾の「台湾緑色公民行動連盟」事務局長のチェ・スーシンさんは「3.11以後、反原発運動が高まって、昨年は22万人が参加する大集会を開いた。そして、今年、第4原発の建設が凍結されることになった。これからも行動で反対を示していこう」と呼びかけました。
 最後に、作家の落合恵子さんが「この夏も全国の原発が稼働しなくても問題なかった。いま政府は再び、民の声を切り捨てようとしている。怒り直し、そして希望を持っていこう」と声をあげました。
 メイン集会に先立ち、サブステージでも集会が開かれ、ライブ音楽の他、北海道、福井、茨城からの反対運動の報告や裁判闘争について訴えがありました。また、会場周辺には多くの団体のブースが並び、福島など原発立地地域からの訴えや関連物資の販売、署名活動など多彩な活動が行われました。
 集会後、参加者は「原発はいらない!」「再稼働反対!」などのプラカードや横断幕などを手に、亀戸から錦糸町までのデモ行進を行い、道行く人にアピールしました。

 

 9月23日に予定していました代々木公園での「さようなら原発全国大集会・大行進」は、現在デング熱の問題が出ています。代々木公園A地区は、デング熱を媒介する「蚊」が確認され、現在閉鎖されています。集会自体は、同公園のB地区を中心に行われることになっており、現時点では「蚊」の発生は確認されていません。 しかしA地区と隣接しており、今後も発生しないとの確約もできない状況の中では、代々木公園での集会を断念せざるを得なくなりました。

 主催の3団体で協議の結果、さようなら原発1000万人アクションは、会場を亀戸中央公園に変更して当初の予定通り9月23日に全国集会を開催することとなりました。なお他の2団体は集会を見合わせることとなりましたので、さようなら原発1000万人アクションの単独開催となります。
 集会の開始時間等は変更はありません。緊急の変更となりますが、下記の注意事項を参考に、多くの方が参加されますよう、お願いします。

1.名称:フクシマを忘れない!再稼働を許さない!さようなら原発全国大集会
 

2.日時:9月23日(火・秋分の日)

3.会場 : 亀戸中央公園(B地区)

        住所=東京都江東区亀戸9-27-28
        交通=東武亀戸線「亀戸水神駅」徒歩2分、JR総武線「亀戸駅」徒歩15分
       地図  http://www.tokyo-park.or.jp/park/format/access018.html
                              

4.スケジュール:プログラムは当初の予定通り進める予定です。

       11:00~ブース開店

       12:20~オープニングライブ 「エセタイマーズ」

       13:00~トークライブ

          内橋克人、大江健三郎、落合恵子、鎌田慧、澤地久枝ほか
          大石又七(第五福竜丸元乗組員)、広瀬隆(作家)
          向原祥隆(川内原発現地報告)、橋本あき(福島現地)
          海外ゲスト 韓国・台湾から

       14:30~デモ出発予定(会場~錦糸町駅周辺を予定しています。約1時間程度) 

5.その他 :①亀戸中央公園では現在までデング熱を媒介する「蚊」の発生は確認されていません。
        ②念のため防虫スプレー用意や長袖、長ズボン等の着用をおすすめします。
        ③23日までには、公園内の草刈等を実施することになっています。
        ④バスでの参加の場合の駐車場についてはお問合せ下さい。
        ⑤会場周辺には食堂等はあまりありません。各自で対応をお願いします。

原子力規制委員会の川内原発審査結果の正式決定に抗議する


原水爆禁止日本国民会議
議  長 川野 浩一
事務局長 藤本 泰成


 原子力規制委員会は、九州電力川内原子力発電所の「審査書」を正式決定した。「審査書」は、あくまでも「新基準に適合している」とするもので、一部報道にある「安全審査の合格書」ではない。これまで、「安全とは言わない」「リスクがゼロとは言わない」と規制委員会の田中俊一委員長が繰り返し発言してきたことでも明らかだ。

 「審査書」の決定にあたってのパブリックコメントには、17,819件もの意見が寄せられているが、修正された箇所はほとんど無い。問題となった火山リスクに対しても、「運転期間内は問題ない」と一蹴している。専門家が「噴火の前兆を見極めるには研究が不十分」としているにもかかわらず、九州電力の予知可能とする主張を受け入れた。東京電力が、福島原発に関して専門家が指摘した連動型地震(貞観地震)の津波の被害を無視し、過酷事故を起こしたことへの反省に立った議論とは思えない。

 国際原子力機関(IAEA)は多重防護安全策で、住民の避難・防災対策を求めている。しかし、避難計画は再稼働の条件ではないとして、一切議論されていない。田中委員長は、「住民が納得できなくては、再稼働は困難」と述べ、周辺自治体の防災態勢充実が不可欠との見方を示しているならば、避難計画を再稼働の前提にすべきではないか。「住民の命はお構いなし、原発事故の教訓は生かされていない」との反発の声が周辺住民からあがっていることは当然だ。原発事故の被害を受けた福島県の現状から考えても、避難計画の議論を先送りにしての原発再稼働など、住民の命の問題が軽視されることは許されない。

 鹿児島県の伊藤祐一郎知事は、「再稼働には、まず国が安全性を十分に保証すべき」と述べ、原発を数多くかかえる福井県の西川一誠知事は、「規制委員会と政府は国民の理解を得るためにも責任を押しつけあうことなく、国民に原子力の安全性と必要性を明確に説明する必要がある」と述べた。菅官房長官は「エネルギー基本法に基づき、規制委員会の安全審査を経た原発の再稼働をすすめる」と発言しているが、安全性に対する責任は曖昧にされている。責任の所在を曖昧にしたままの再稼働も、福島原発事故の教訓からは認められない。 
 
 原発を抱える電力各社は、再稼働の審査のための安全対策に2兆2千億円もの巨費をつぎ込んできた。原子炉等規制法の定める稼働期間40年の間に資金を回収できるめどはあるのか、資金回収のために原発の稼働期間延長などがあってはならない。政府は「原発の依存度をできる限り下げる」としているが、電力自由化を見越して原発の電力価格に基準を設けるなど、原発維持のための負担を市民社会に押しつけ、原発擁護の政策を打ち出している。政策の整合性を問われることは必至だ。川内原発の審査の過程も、再稼働ありきで進んでいることは明確であり、「原子力村」の再生はすすんでいる。政府が原発推進に舵を切ったことで生じる将来的矛盾は極めて大きい。小泉純一郎元首相が主張するように「使用済み核燃料の処分問題」を解決せずに再稼働を進めていけば、原発の負の遺産のみ将来に回される。目先の利益にとらわれて、将来を誤ってはならない。

 原水禁は、「核と人類は共存できない」として、原発政策に反対し続けてきた。再生可能エネルギーの推進のためにとるべき政策は山積している。豊かな想像力と遠く将来を見据える目を持って、日本のエネルギーを語らねばならない。安易な原発再稼働に走ることなく、政府は「脱原発」の方針を明らかにし、そのための施策を展開しなくてはならない。原水禁は、川内原発の再稼働を許さず、「脱原発」の確固たる方針確立へ向けて全力を尽くす。
 

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