2014年1月アーカイブ

失敗のツケを私たちに押し付けるな! 原発以上に危険な再処理工場
 
再処理事業を取り巻く環境は依然として厳しい
 1月7日、日本原燃は青森県六ヶ所村の核燃料再処理工場に対する新規制基準(2013年12月18日施行)への適合性を確認する安全審査を原子力規制委員会に申請をしました。再処理工場は、国や電力会社が進める核燃料サイクルの要を担う施設。しかし、再処理して取り出すプルトニウムの利用は見通しが不透明で、再処理後に残る高レベル放射性廃棄物(ガラス固化体)の最終処分場も決まっていません。重要課題は未解決のままで、再処理事業を取り巻く環境は依然として厳しい状況にあります。
 現行のエネルギー政策では、再処理で取り出したプルトニウムはプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料に加工し、2015年度以降、全国16~18の原発で燃やすプルサーマルによって消費することになっています。しかし現在、再稼働に向け安全審査を申請しているのは16基。このうちプルサーマルを実施する予定なのは、四国電力伊方原発3号機や、九州電力玄海原発3号機など6基となっています。さらに原発の安全審査が長期化して再稼働の時期が見通せない中で、たとえ審査を通っても、MOX燃料でなくウラン燃料を使用する可能性もあります。経営環境が厳しくなる中で、割高なMOX燃料をわざわざ使い続けることは電力会社に無駄な経費負担を負わせ、経営の合理性からも問題であり、そのツケは電力料金に反映されます。そのうえプルサーマルの実施に当たっては、福島原発事故によって高まった住民や周辺自治体の不安が大きなハードルとなることも十分予想され、今後、計画通りに進むかどうかも不透明です。
 プルトニウムは原子爆弾の原料にもなるため、余剰分を保有しないことが日本の国際公約となっています。現在、約44トンものプルトニウムを抱え、これ以上使い道のないプルトニウムを抱えることは、国際的にも厳しい目が向けられ、再処理事業への批判が高まるのは必至です。

日本学術会議も厳しく批判
 また一方で、高レベル放射性廃棄物の最終処分問題も一向に進展していない現状にあります。すでに六ケ所再処理工場には、海外から返還されたガラス固化体1442本が貯蔵されているほか、再処理工場が本格稼働すれば、年間約1000本が新たに発生することになっています。国はこれまで、高レベル放射性廃棄物の最終処分場の選定を自治体の公募制をとっていましたが、一向に手を挙げる自治体もなく行き詰っていましたが、安倍政権になり、国が全面に出て最終処分場を国が選定する方針に転換しました。しかし、候補に挙がった自治体が猛反発することも十分予想され、この問題もそう簡単に片付くものではないですし、強引な国のやり方は許せるものではありません。地下300メートル以深の地中への埋設処分に関しても、技術が確立されておらず、日本学術会議も一昨年に報告書をまとめ、現行の地層処分の方針を厳しく批判し、計画の白紙見直しを提言しています。

六ヶ所再処理工場の撤退を強く求める
 日本原燃は安全審査を経て、青森県や六ヶ所村と安全協定を結ぶことになっていますが、それ以外の周辺自治体の反応も、福島原発事故以降大きな焦点となります。防災計画も拡大され、関係する自治体も広がっただけに、協定締結の可否に影響を及ぼす可能性も指摘されています。
 日本原燃は、今年10月の完成をめざすとされ、今回の審査に半年程度を見込んでいます。しかし、マグニチュード8クラスの地震も指摘されている再処理工場近傍の「大陸棚外縁断層」の評価などで長期化する可能性もありますが、そもそも巨大地震の可能性のあるところに原発以上に危険な再処理工場を作ること自体大きな問題です。
 着工から20年も経ち、当初、1997年には完成予定だった六ヶ所再処理工場は、この間20回も完成予定がずれ込んでいます。2014年10月の完成を見込んでいますが、これまでの経過からも予定通り進むとは思えません。費用も当初7800億円だったものがすでに3倍の2兆2000億円近くに跳ね上がり、今後も完成・稼働が遅れれば、年間1100億円の維持費がさらに費やされることになります。
 費用負担やプルトニウム利用の計画性(将来性)もすでに完全に破たんしているにも関わらず、再処理事業の継続に突進しようとすることは、かつての原子力船「むつ」の開発の二の舞となり、巨費を投じても何らの成果も得られずに事業に失敗することは明らかです。失敗のツケは結局私たち国民に回されるだけです。六ヶ所再処理工場の撤退を強く求めます。

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