特定秘密保護法案反対!
国民の知る権利を奪い原発の闇がさらに深まるばかりだ
昨日(11月26日)、特定秘密保護法案が衆議院本会議で自民、公明やみんなの党の数の力で強行採決されました。今後、審議は参議院に移されますが、「特定秘密」が乱発され、情報統制が強まり、国民の知る権利が大幅に損なわれようとしています。私たちは、国家による情報統制は、原発関連の情報統制にもつながるもので、この法案の衆議院通過に対し大きな怒りとともに法案そのものに強く反対するものです。
この法案採決に先立ち、11月25日に東京電力福島第一原発事故の地元福島で開かれた地方公聴会で、与党側が推進した2人を含め7人の陳述人全員が法案の慎重審議や廃案を訴えました。しかし、翌日には即採決という、何の意見反映もなされないまま、またもや福島が自公政権に踏み台にされた形になりました。許しがたい利用主義です。
そこでも多くの懸念が指摘されましたが、その一つに原発関連の情報が統制対象にされることです。すでに国会答弁でも明らかになりましたが、原発施設の警備情報はテロ防止のために公表されないとされています。輸送情報などもその対象になっていくことでしょう。知らない間に自分の傍を核燃料や廃棄物が輸送されていること自体が「秘密」となっていくことも予想されます。原発で働く多くの人々にとってもそこで見たものが「秘密」となり、「被曝労働の実態も「秘密」のベールの中に隠されようとしています。これまで事故隠しやデータ改ざんなど様々な不正が明らかになってきた原発が、この法案によりさらに原発の問題が闇の中に入ってしまう恐れがあります。それは、「国民の知る権利」の侵害とともに「安心・安全」という基本的な「生存権」の侵害でもあります。これまいで以上に情報統制がなされる中で、どのように安全をチェックできるのでしょうか。核管理社会が一層強まるものでしかありません。
法案は曖昧で、憲法に抵触するという懸念が多くの専門家からも指摘されています。また、国民世論の多くは今回の法案に反対ないし慎重な審議を求めていることも報道されています。この法案がもたらす社会は何か。戦前のような戦争遂行を目的に、軍機保護法や多くの自由を制約する法律の下で、物言えない社会で怯えてくらした社会に進もうとするのでしょうか。そのような社会をだれが望むというのでしょうか。
民主主義を破壊し、憲法を骨抜きにする「特定秘密保護法案」に私たちは断固反対します。
高レベル放射性廃棄物の地層処分は無責任!
小泉純一郎元総理が、高レベル放射性廃棄物の処分問題で、「核のゴミを処分する場所のあてもないのに原発を進めていくほうが、よほど無責任じゃないか」と発言し、原発即時ゼロを訴えています。そのことでにわかに高レベル放射性廃棄物の処分問題がクローズアップし、これまで進展していなかった最終処分場の自治体公募方式を見直し、最終処分場の候補地選定に「安全に処分できる地域を国が科学的に示す」(総合資源エネルギー調査会中間報告)として、国が主導して候補地選定を行う方針を明らかにしました。候補地とされた自治体は、国策との対決を迫られることになります。福島や沖縄などこれまで国策に翻弄されつつけた結果、苦しい現状を迎えており、またも国策が住民の分断と苦悩を地方に押し付けようとするものです(絶対に大都市圏には持ち込まれないでしょう)。
「トイレなきマンション」と反対派からこれまで指摘されてきたこれまでの無責任な原子力推進政策のツケがここへきて大きくクローズアップされてきましたが、実際にはどこも受け入れ先がないのが現状です。さらに処分技術も「確立」されたとする主張も、いまだそれを立証したものはありません。日本学術会議は、高レベル放射性廃棄物の地層処分に対して日本には適地がないとして「高レベル放射性廃棄物の処分に関する政策の抜本的見直し」(2012年9月)を提言するなど、科学的にも未確立であることが示されています。推進側でさえ「人工バリアがいつまでもつかという話ですけども、‥将来のことは神様しかわかんないですよね、極端なこと言いますと。」(核燃料サイクル開発機構 梅木和彦(2004年NUMO技術部長)などと発言しています。
技術も確立もされていない高レベル放射性廃棄物の地層処分を 北海道の幌延で深地層研究が進められようとしています。1000年も10000年もの長期にわたる安全性をたった数十年の研究で明らかになるわけがありません。地層処分はまさに埋め捨てで、あとは後の世代にツケをまわすだけの「無責任」なものでしかありません。断じて許すわけにはいきません。
下記の文章は「北海道への核の持ち込みは許さない!11・23幌延デー北海道集会」の集会決議です。