2010年6月アーカイブ
NPT未加盟のインドへ、日本から原子力協力を可能にする協定の交渉開始が発表されたのに対して、原水禁では以下の声明を発表しました。また、長崎の被爆者5団体が発表した、対インド原子力協力協定反対書簡も掲載しました。
参考:
- 原水禁含む市民団体共同の日・インド原子力分野の協力に向けた協議に反対する要望書
- NSG各国大使宛 国際書簡:NSGガイドラインと不拡散原理の遵守を、英文:Ensure Compliance with NSG Guidelines and Nonproliferation Standards
内閣総理大臣 菅 直人様
外務大臣 岡田 克也様
2010年6月25日
日印原子力協定の締結に反対する声明
6月25日、日本政府は、日本とインドとの間で原子力協定締結の交渉に入ると発表しました。また、菅直人首相はサミットの開かれているカナダでインドのシン首相と会談し、「両国が原子力協定締結の交渉に入ることを踏まえ、原子力分野の協力推進で一致した」とも報道されています。原水禁はNPT体制の形骸化に結びつく日印原子力協定の締結に反対します。
1998年、日本も共同提案国となり、全会一致で決議された、国連安保理決議1172では、インド及びパキスタンに対し、「核兵器開発計画の中止」、「核兵器用の核分裂性物質の生産中止」を求め、「すべての国に対し、インド及びパキスタンの核兵器計画に何らかの形で資する可能性のある設備、物質及び関連技術の輸出の禁止」を求めています。今年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議の最終文書でも、「すべての加盟国に対して、核関連輸出が直接的にせよ間接的にせよ、核兵器のまたその他の核爆発装置の開発を支援してはならない」ことを確認しています。
また、インドは包括的核実験禁止条約(CTBT)にも署名していません。日本が促進をしているCTBTの発効要件国のうち未署名国は、インド、パキスタン、北朝鮮だけです。インドとの交渉では、少なくともCTBTへの署名、批准、インド国内の全ての核施設を査察の対象として、核兵器開発をやめさせることが前提となるべきです。そうでなければ、日本自ら提案した国連決議に反して、核兵器計画に何らかの形で資する可能性のある設備、物質及び関連技術の輸出につながる協定を結ぶことは許されません。
原水禁は、NPT体制を強化し、核廃絶への道を開くために、2008年の米印原子力協定締結に反対してきました。
NPTは、「未加盟国に対して原子力で協力しない」を基本原則としています。NPT未加盟国で核兵器を保有するインドに対する原子力協定の締結は、世界から核の恐怖を排除するために、5年ごとの運用検討会議を重ねてきたNPT体制を形骸化し、核兵器廃絶への道のりをより険しくすることとなります。インドが原子力の平和利用を主張するならば、核兵器を放棄して、NPTに加盟し、国際原子力委員会(IAEA)の管理下に入るべきであると確信します。原水禁は、そのことを日本政府がインドに強く求めることを要請します。
原水禁は、日本政府が内外の要請に安易に応えることなく、核兵器廃絶の道を信念を持って進むことを要求し、インドがNPTに加盟することなく「日印原子力協定」の締結を行わないよう強く要請します。
原水爆禁止日本国民会議 議長 川野浩一
内閣総理大臣 菅 直人 様
(※岡田外務大臣、直嶋経済産業大臣にも送付)
核拡散防止条約(NPT)体制の崩壊につながる
「対印原子力協力協定」の締結構想を破棄せよ
先日、各紙は日本政府がインドの原子力開発に協力するため、標記の協定締結交渉入りを決定した旨、一斉に報じた。
何ということだ!・・・2010年NPT再検討会議が終了したばかりのこの時期に、しかも、世界で唯一の被爆国・日本がなすことか!
戦後65年、年老いた被爆者は「これが最後だ」と、いくつもの病を抱えながらもニューヨークで開かれた2010年NPT再検討会議に出席し、世界の多くの人たちに「一日も早い核兵器の廃絶を」、「長崎を最後の被爆地に」と訴えてきたばかりではないか。
改めていうまでもなく、インドは北朝鮮やイスラエルなどとともにNPTに加盟していない数少ない国の一つであり、核爆発実験を行った国である。NPTに加盟している国なら、原子力発電などによって産出するプルトニウムなどについても
国際原子力機関(IAEA)の管理下におかれるが、NPT未加盟国の場合、現状ではこうした制約もなく、供与された原子力技術が核兵器開発に使われないという保証は全くない。
NPT再検討会議の最終文書は被爆者の願いを十分に取り入れたとは思わないが、核兵器廃絶の方向性は明確に確認された。そして、我が国をはじめ核兵器廃絶を
求める多くの国々に、これからのより一層の努力が求められたところだ。
おりもおり、その直後に日本政府がNPTの根幹を揺るがす、このような協定の締結をどうしてできるのか?
いま、我が国がなすべきことは、インド政府に対し核兵器を早急に廃絶し、NPTに加盟するよう働きかけることではないか。それなしに、被爆国・日本がインドに原子力開発の協力を行うことは絶対に許されない。
もちろん2年前、ブッシュ前米政権による対インド戦略に当時の自公政権が便乗し、原発を積極的に売り込むため、米印原子力協力協定に賛成した経過はある。しかし、明白に政権は代わった。政権は民主党に移ったのである。国民の多くは、
民主党政権が自公政権そのままにインドとの原子力協力協定に走るのか、それとも言行一致、きちんと核兵器廃絶の道を歩むのかを見守っている。
菅内閣は、「対印原子力協力協定」の締結構想を直ちに撤回されるよう要求する。
2010年6月28日
長崎県被爆者手帳友愛会 会長 中島 正徳
財団法人長崎原爆被災者協議会 会長 谷口 稜曄
長崎原爆遺族会 会長 正林 克記
長崎県被爆者手帳友の会 会長 井原東洋一
長崎県平和運動センター被爆者連絡協議会 議長 川野 浩一
韓国哨戒艦沈没事件に協力要請。胡主席「朝鮮半島の平和と安定を破壊するどのような行為も糾弾、反対する」と述べる。
朝鮮半島有事に際して、米韓連合軍司令官が持つ韓国軍の指揮権(作戦統帥権)の2012年4月17日移管予定を15年12月1日に延期で合意。
韓国の市民運動団体、参与連帯が6月11日に国連安保理に、哨戒艦「天安」沈没事件の軍民合同調査団報告書にいくつかの問題点と疑問点が有るとする文書(The PSPD's Stance on the Naval Vessel Cheonan Sinking)を送ったことで、「国家保安法」嫌疑の捜査をうけるなど、不当な弾圧にさらされています。(参考: STOP Oppression & Prosecutors' Investigation on PSPD)
参与連帯の指摘した疑問点は、
- 魚雷による水柱はあがったのか?
- 生存者や犠牲者に魚雷爆発による重傷が見当たらないのは?
- 事故当初からのTOD映像が無いのは事実か?
- 船体に爆発による損傷が見られないのはなぜか?
- 何故ガスタービン室の発見・回収を隠したのか?
- 爆発の証拠物質が火薬ではなくアルミ酸化物なのは?
- YONO級潜水艦外観はどのようなもので、韓米の監視に何日も検知されなかったのはなぜか?
- 魚雷発射が検知できなかったのは?
という、どれも極めて当然の疑問です。
そして、調査過程の問題点としてあげたのは、
- 軍が哨戒艦の基本的情報を公開しなかった、
- TOD映像の隠蔽・説明改変、
- 市民の疑問に対して政治的・法的措置をとった、
- 軍民合同調査団が実質市民を排除、
- 市民による調査を制限、
- 海外から参加した調査メンバーの役割が不明、
という、調査の正当性に疑問を起こさせるような根本的な問題で、それぞれ事例を挙げて説明しています。このような正当な疑問・意見表明が不当な弾圧を受ける事は許されません。
原水禁・平和フォーラムは、大韓民国大統領と日本の内閣総理大臣に以下の書簡をおくりました。
参与連帯が国家保安法嫌疑による捜査など不当な弾圧を受けること
大韓民国大統領 李明博 様
内閣総理大臣 菅直人 様
平和と民主主義を求める市民団体として、
1994年の発足以来、
参与連帯は、6月11日に哨戒艦「天安」
哨戒艦の沈没原因を北朝鮮の魚雷攻撃によるものと断定し、
哨戒艦の沈没事件が極めて重要な政治・外交課題であるにせよ、
李明博政権は、即時にこのような弾圧姿勢を改め、
安保理議長国メキシコのヘラー国連大使は14日、
日本の菅直人首相は22日、
平和フォーラムは、日韓両国政府に対して、
フォーラム平和・人権・環境 / 原水爆禁止日本国民会議
事務局長 藤本 泰成
原発について学びたい若者を対象とした、澤井正子さん(原子力資料情報室)による講義。約30人参加。
大会Tシャツ(M、L、LL)各1枚1000円(送料別)
※お申し込みは原水禁事務局へFAXでお願いいたします。(FAX:03-5289-8223)
アジア太平洋経済協力会議(APEC)エネルギー大臣会合が福井市で6月19日~20日にかけて開催されている。会議では、エネルギー安全保障に向けた石油備蓄体制の問題や地球温暖化対策として二酸化炭素(CO2)を排出しないエネルギー源の拡充などを主要なテーマとして議論することとなっている。その中でも地球温暖化対策として発電時にCO2を出さないとして原子力発電の積極的活用が語られるという。
高速増殖炉「もんじゅ」を擁し、全国一の原発集中県である福井県での開催は「地球温暖化対策の切り札としての原発」を大きくアピールし、日本の技術力の宣伝にも一役買おうとしている。そこには原発輸出の機会を狙っていることも見え隠れしている。そのためにもAPEC直前にもんじゅの運転再開の強行は、推進派の悲願だったのだ。住民の安全・安心よりも「APEC」があったのだ。また6月末の高浜原発のプルサーマル燃料の搬入の露払いとしての「APEC」開催ではないか。その中で世界の潮流は「原発ルネサンス」であることを印象づけようとしているのではないか。
私たちは、それに対抗して本日「6・19対APEC市民エネルギーシンポジウム」を開催する。その中で原発が地球温暖化に役に立たないことをコストやCO2排出量の面からも明らかにする。そして原発推進がむしろ、省エネや再生可能エネルギーの進展を妨げていることを明らかにし、地球温暖化防止の切り札でないことを強く指摘する。
再処理や高速増殖炉などのプルトニウム利用路線の破綻はすでに明らかになっている。そのことは六ヶ所再処理工場のトラブルやもんじゅの度重なるトラブルを見れば明らかである。CO2削減のために処理・処分の困難な放射性廃棄物を大量に生みだすことは、CO2と同様に地球にやさしい訳ではない。いまこそ核燃料サイクルの失敗を直視すべき時であり、政策転換が強く求められている。
原発は、地球温暖化をすすめこそすれ、防止にはまったく役にたちません。むしろ大量のエネルギー浪費を促進し、原発の増設に合わせた他の電源を必要とし、結局は大量のCO2を発生させることとなる。私たちはこれ以上原発に依存する社会からの早期の離脱を求める。それと共にもんじゅをはじめ再処理、プルサーマルなどのプルトニウム利用路線からの速やかなる撤退を強く求めるものである。
「6.19原発で温暖化は防げない、めざそう省エネ・再生可能エネルギーを!市民集会」参加者一同
APECエネルギー大臣会合に対するNNAF(ノー・ニュークス・アジア・フォーラム)共同声明
APEC(アジア・太平洋経済協力)エネルギー大臣会合が、6月18日~20日に、日本の福井県で開催される。20カ国のエネルギー担当大臣・政府関係者が参加する。開催国日本のリーダーシップのもとに、「原発は地球温暖化防止に大いに役立つ」とアピールされる可能性が高い。水面下では原発の売り込みも行われるだろう。だとしたら、それが福井県で行われるというのは、「最高の皮肉」と言わざるをえない。
福井県には14基の原発があるが、重大な事故を何度も起こしてきた。1991年の美浜2号機蒸気発生器細管ギロチン破断事故、1995年の高速増殖炉もんじゅのナトリウム漏れ火災事故、2004年の美浜3号機の蒸気噴出事故では5人が死亡した。これらの事故は世界的に有名である。もんじゅは14年ぶりに運転再開したがトラブル続き。福井県の人々は、いつ原発大事故が起こるかと心配しながら暮らしているだろう。
原発は気候変動の効果的な解決策ではない。それどころか原発の拡大は、再生可能エネルギーの拡大やエネルギー効率の向上、省エネなどによって行われるべき地球温暖化問題の解決を妨げてしまう。また原発拡散は、核拡散につながり、将来的にアジア・太平洋に緊張をもたらす可能性がある。
APECエネルギー大臣会合では、原発ではなく、太陽光や風力などの再生可能エネルギーの推進を議論するべきことを強く訴える
2010年6月19日
Statement by the No Nukes Asia Forum to the APEC Energy Ministers’ Meeting
The APEC (Asia-Pacific Economic Cooperation) Energy Ministers’ Meeting will be held in Fukui Prefecture, Japan from June 18 to 20. Ministers and government officials from 20 countries will attend. Under the leadership of Japan, it is highly likely that a statement will be issued saying that nuclear energy is a highly effective way of responding to global warming. Beneath the surface the meeting is likely to be used to promote sales of nuclear power plants. If so, it would be a supreme irony that this is happening in Fukui Prefecture.
Fukui Prefecture is home to 14 nuclear reactors, but there have also been several major accidents. In 1991 there was a guillotine rupture of tubes in the steam generator of the Mihama-2 reactor; in 1995 there was a sodium leak and fire at the Monju fast breeder reactor; and in 2004 there was a fatal accident in which steam spewed from ruptured pipes in the Mihama-3 reactor. These accidents all attracted worldwide attention.
Monju has been restarted after being shutdown for 14 years, but there have been continual problems since then. The people of Fukui Prefecture live in fear of a catastrophic accident.
Nuclear energy is not an effective way of responding to climate change. Rather, the expansion of nuclear energy will obstruct the implementation of the solutions to climate change, namely the expansion of renewable energy, energy efficiency and energy conservation. Furthermore, the proliferation of nuclear energy is linked to the proliferation of nuclear weapons. It could lead to increased tension in the Asia-Pacific region in future.
We strongly call on the APEC Energy Ministers’ Meeting to discuss the promotion of renewable energy, including solar and wind, instead of nuclear energy.
June 19, 2010
●Australia(オーストラリア)
The Anti Nuclear Alliance of Western Australia 西オーストラリア反核連合
People for Nuclear Disarmament Nuclear Flashpoints Project 核軍縮を求める人々/フラッシュポイントプロジェクト
●China(中国)
Global Greengrants Fund-China グローバル・グリーングランツ・ファンド中国
●Holland(オランダ)
World Information Service on Energy (WISE) 世界エネルギー情報サービス
●Indonesia(インドネシア)
MANUSIA (Indonesian Antinuclear Society) インドネシア反核市民連合
Sarekat Hijau Indonesia (Indonesian Green Union) インドネシア緑色連合
Muria Institute ムリア協会
FORSMAD (Student Solidarity Forum for Democracy) 民主学生連帯フォーラム
AM2PN (Aliansi Masyarakat Madura Pemerhati Nuklir) 核を懸念するマドゥラ市民連合
●Japan(日本)
Citizens' Nuclear Information Center 原子力資料情報室
Fukui Prefecture Citizens Against Nuclear Power 原子力発電に反対する福井県民会議
Green Action グリーンアクション
Japan Congress Against A- and H-Bombs 原水禁
No Nukes Asia Forum Japan ノーニュークス・アジアフォーラム・ジャパン
●Korea(韓国)
Energy Justice Actions エネルギー正義行動
Korea Federation for Environmental Movements 韓国環境運動連合
Buan People's Power Plant for Renewable Energy プアン市民発電所
Green Korea United 緑色連合
Centre for Energy Alternative エネルギー・オルタナティブ・センター
●Philippines(フィリピン)
Network Opposed to the Bataan Nuclear Power Plant(NO to BNPP) バタアン原発反対ネットワーク
●Russia(ロシア)
Ecodefense エコディフェンス
●Taiwan(台湾)
Taiwan Environmental Protection Union 台湾環境保護連盟
Green Citizens' Action Alliance 緑色公民行動連盟
●Thailand(タイ)
Alternative Energy Project for Sustainability 持続可能エネルギー・プロジェクト
●USA(アメリカ)
Nuclear Information and Resource Service 原子力情報資料サービス
警察の過剰なまでの厳戒態勢の中、6月19日、アジア太平洋経済協力会議(APEC)エネルギー担当大臣会合が福井市内で開かれました。20ヵ国のエネルギー担当大臣が、日本一原発が集中する福井に結集し、省エネルギー政策や地球温暖化対策について話し合われました。会議のまとめとしての「エネルギー安全保障にむけた低炭素化対策に関する福井宣言」(福井宣言)【※PDFファイル】では、エネルギー源の多様化と二酸化炭素(CO2)の排出削減に向けて、省エネの推進や再生可能エネルギーの導入促進をうたいつつも、日本政府の肝いりで「新規の原発建設の促進」を明記しました。
厳戒態勢が敷かれた福井市内
このような地球温暖化対策に原発活用を積極的に打ち出す動きに対抗して、原水禁、原子力資料情報室、原発反対福井県民会議の3者によって、同日、青森や鹿児島など全国各地から250名が集まり、「6・19対APEC市民エネルギーシンポジウム」を開催し、地球温暖化対策に原発は役に立たないことを訴えました。
三者を代表して、藤本泰成原水禁事務局長は、「もんじゅ」の無謀な運転と六ヶ所再処理工場の技術的破綻は明らかで、再生可能エネルギー社会にシフトしていくことの必要性を訴えました。基調講演では、立命館大学の大島賢一さんから「原子力で未来を拓けるのか-原子力発電の費用とCO2排出量」として講演していただきました。その中では、電源別のコストで「原子力単体でみた発電単価でみた場合であっても、原子力は安価な電源とは言えない」「『原子力+揚水(出力調整用に原発を補完してつくる揚水発電所)』でみれば、最も高いで電源である」と語られ、これまでの推進側が主張してきた原発のコストが最も安いとしてきたことに具体的な反証を行いました。さらに、原子力とCO2排出については「原子力発電は炭素フリーな電源ではないし、CO2排出量の点で再生可能エネルギーよりすぐれているとは言い難い」と述べました。
その後のパネルディスカッションでは、東北大学の長谷川公一さんから「原発は地球温暖化対策の切り札か?」、フリージャーナリストの鈴木真奈美さんからは「日本の原子力輸出政策をめぐって」、原子力資料情報室の西尾漠さんからは「原発は温暖化防止に役立たない」をテーマにそれぞれ報告されました。このシンポジウムに先立ち、厳戒態勢が敷かれる市内で抗議のデモが行われました。
■APECエネルギー大臣会合に対するNNAF(ノー・ニュークス・アジア・フォーラム)共同声明
6・19対APEC市民エネルギーシンポジウム(福井市・福井県教育センター)
福井市内をデモ行進
原子炉の水位が通常より2m低下。緊急炉心冷却装置(ECCS)が稼働寸前に。
※「鹿児島県護憲平和フォーラム」からの報告です。
次世代に被爆体験を語り継ぐことが大事
被爆65周年を迎えた2010年度の第33回九州ブロック(九ブロ)原水禁・被爆者活動交流集会が6月13日から14日にかけて福岡県原鶴温泉で開催され、沖縄を除く九州各県から142人、そのうち鹿児島県からは14人が参加しました。
全体会での講演は西山太吉さんが「核廃絶と非核三原則の法制化―核密約問題の本質」と題して行いました。西山さんは、毎日新聞記者時代に外務省の「沖縄密約」を暴き出し、沖縄返還協定や日米安保条約・非核3原則など外交・防衛問題を広く社会に問うたジャ-ナリストです。西山さんは現在79歳ですが、かくしゃくとした話しぶりで、当時のウソで固めた日米政府関係者の沖縄への核兵器持込疑惑と密約文書を破棄した外務省幹部を厳しく弾劾するとともに、今回の外務省による当時の事実関係の調査が極めて不十分であることを批判しました。
各県活動報告の中では、鹿児島県被爆二世の会会長の大山正一さんが意見発表に立ちました。
大山さんの意見発表の概要は以下の通りです。
鹿児島では3年前に被爆二世の会を組織化し、現在の会員数は154人です。活動の中心は、被爆手帳の発行を求めていることです。健康診断申し込みは会の発足以来増えていますが、受診者は増えていません。(126人の決定通知に対して受診者は77人)。二世検診の権利を放棄していては行政も聞く耳など持てないという態度を取るでしょう。まずは検診を受けることを大事にしたいと思います。2番目は核兵器廃絶のため被爆体験を語り継いでいくことです。親世代の活動を引き継ぎ、朗読や紙芝居などを通じて次世代に被爆体験継承を行うことが大事なことです。 |
また報告も2本ありました。
(1)川野浩一原水爆禁止日本国民会議議長:「NPT再検討会議」に参加して
川野議長は、今年5月にニューヨークで開催された核拡散防止条約(NPT)再検討会議をふりかえって、以下のように総括しました。
核保有国・非核保有国が一堂に会しての議論でしたが、各国それぞれの思惑があり、もともと一本化することが極めて困難な会議でした。しかし、今回は前回に比べて、オバマ米大統領の登場など好材料に恵まれ、期待された会議でした。また、日本からは大勢の被爆者も参加し、被爆者にとってみれば自ら行動するのはこれが最後との思いもありました。 2000年の「NPT再検討会議」の合意に戻し、そこをベースにどう具体的に積み上げることができるかを考えると、成果はあったと思います。具体的な年次は記載できなかったものの評価できるものがあります。反省点や今後の行動としては、①せっかくの政権交代を今回の会議に活かすことができなかったこと。1千万人署名も目標に届かなかったし、閣僚の出席も実現できなかった。鳩山由紀夫首相(当時)はそれほど重要な会議ではないとの判断ではなかったのか。②民主党政権には核兵器廃絶に向け具体的に次の三点の方針を確認してもらいたい。非核三原則の法制化。米国の「核の傘」からの脱却。東北アジアの非核兵器地帯構想。③基盤はできたものと思います。後はしっかりと運動を進めることです。 |
(2)全国被爆体験者協議会の小川博文会長と中村栄さん:「被爆体験者」問題の解決に向けて
小川さんと中村さんは、長崎の被爆地は行政区域の「長崎市」を基本に南北12kmまでと決められましたが、行政区域で決められたために12km以内の人でも「被爆者」とは認められていない人がいること、そしてこの不合理を是正する運動を行ってきたことについて報告しました。2003年に「健康診断特例地域」にいる「被爆体験者」として認定され、健康診断や医療費の支給が認められるようになりました。しかしその後も国は、被爆者と認めない差別政策を続けてきました。2007年に長崎地裁に集団提訴しました。この間、原爆症認定裁判では国は連敗し続けました。ようやく政治が動き、認定基準の見直しが進んできました。「被爆体験者」訴訟(現在の原告は395人)についても完全勝訴に向けて国を動かさなければならない、と結びました。
集会まとめは九ブロ原水禁事務局長を務める山崎博・原水禁鹿児島県民会議事務局長(写真中央)が行いました。最後に全員で「原爆を許すまじ」を合唱し、集会を終了しました。被爆66年の来年度は被爆地・長崎で開催される予定です。核兵器廃絶と被爆者援護に向けて今後とも運動を継続していきましょう。
“ノーモア・ヒロシマ・ナガサキ”
韓国側は軍民調査団の伊徳龍(ユン・ドギョン)共同団長、米スウェーデンなど5ヵ国の専門家ら計28人が出席、北朝鮮側は申善虎(シン・ソンホ)国連大使らが出席したが、主張は対立し終わる。議長は会合後、深刻な懸念を示した。
選挙で第1勢力となったアラウィ元首相率いる世俗派中心の政党連合「イラキーヤ」と第2勢力のマリキ首相の宗派横断的な「法治国家連合」とが対立、連立協議進展せず。
オランダ語圏フラマン地区の分離独立を目指す中道右派の新フランドル同盟(N-VA)が27議席を獲得し第1党に。
「原子力被害は救済されないのか~JCO健康被害裁判を糺(ただ)す」が、茨城県水戸市にある茨城県民文化センターで、60人の参加者を集めて開催されました。集会には、原告の大泉昭一さん、恵子さん、伊藤良徳弁護士らが出席して発言がありました。
東海村JCO臨界事故(茨城県東海村の核燃料加工施設で、1999年9月30日に起こった臨界事故)による健康被害の補償を求めた裁判は2002年に起こされ、原水禁としても支援してきました。しかし、「健康被害賠償裁判」は、東京高裁で住民側の敗訴となり、最高裁へ上告しましたが5月13日に「上告を破棄する」「上告審として受理しない」とする、門前払いの決定が出されました。被害者支援の会は解散されますが、事故を風化させない「語り継ぐ会」を発足させて、今後も闘いは続きます。
国連制裁下にある国の加盟を認めないとする加盟規約を採択。準加盟国のイランの加盟を認めない方針明らかに。
第22回参議院選挙の公示を6月24日、投票を7月11日としたことによって、郵政改革法案が廃案となることへ抗議。後任に自見庄三郎国民新党幹事長。
北朝鮮に正式に抗議。10日の新華社電は北朝鮮が事件を起こしたものを厳しく罰すると表明したと伝えた。
天野之弥事務局長が「イスラエルはNPTに加盟し、IAEAの保障措置を受けるのが望ましい」と、各国の意見を求めるが、米、欧諸国が理事会での議論に遺憾を表明しアラブ諸国と対立。イスラエル問題は進展せず。
金正日総書記の義弟、張成沢(チャン・ソンテク)国防委員が同委員会副委員長に昇格。金英逸首相が更迭され朝鮮労働党平壌市委員長の崔永林(チェヨンリム)責任書記が選出される。
講演でゲーツ米国防長官が、米の台湾への武器売却方針発表に抗議した中国が、米中軍事交流を中断したことを批判。中国の馬暁天人民解放軍副参謀長「障害をつくっているのは米国」と反論。韓国哨戒艦沈没で緊張続く朝鮮半島情勢を中心に協議し、軍事面に限らず大規模災害の救援協力など多角的協力による信頼醸成が必要との意見で一致。
タリバン幹部に対する資産凍結などの国連制裁解除などを提言する声明発表。会議中にタリバンがロケット弾攻撃や治安部隊との銃撃戦行う。
09年の世界の軍事費(米・6610億ドル、中国・1000億ドル、仏・639億ドル、英・583億ドル、ロシア・533億ドル、日本・510億ドル、独・456億ドル、サウジアラビア・412億ドル、印・363億ドル、伊・358億ドル)。